アバカを使用した商品の使用例をご紹介致します。
アバカの幅広い可能性と汎用性を感じていただけましたらと思います。
日本のお札は何度折り畳んでも、濡れてもボロボロにはなりません。しかも目を瞑って触っても直ぐにお札と判る触感と張り(コシ)。日本にはATMを始め、駅の券売機、自動販売機、両替機などお札を自動識別する機械が溢れています。こうした機械がお札を誤認識しないよう、また偽造防止の為、お札に求められる強度や機能は非常に複雑です。アバカはその唯一無二の特徴により、日本銀行券の原料として長年に亘り使用されております。
近年これら食品フィルター分野の需要が拡大しております。アバカの特徴である長繊維が、薄くても強度のある紙の製造を可能にしています。フィルター原紙には茶葉やコーヒー豆など中身の飛散を防ぎつつ、抽出されるお茶やコーヒーの旨味や香り(アロマ)を充分に通す為の強度と多孔性が求められます。アバカで作られるフィルター紙は、合成繊維や木材パルプ製品では出せない紅茶、コーヒーそのものの味・香りを一層引き立てることでき、最近の世界的なコーヒー需要の高まりと、より美味しいコーヒーを求めるニーズに支えられ、需要は拡大しております。また日本独自の伝統的な麦茶パックや、煮出して出汁を取る便利な出汁パック等にも用途が広がっています。天然繊維ならではの生分解性と安全性で好評を得ております。
ケーシングとはハムやソーセージの表皮部分。燻製加工に必要な強度、透過性、寸法安定性を兼ね備えた工程紙の主要原料として、欧州を中心に世界的な安定した需要があります。ソーセージのパリッとした素晴らしい食感と、スモークの美しい色目と独特なフレーバーを引き出す効果も持っています。
一見関係が無いように思えるコンピューター基盤にもアバカの紙が使用されております。身の回りのありとあらゆる電化製品の中には数多くのコンデンサーが搭載されています。そのコンデンサー内部には絶縁と電解液の保持を目的とした絶縁紙が入っており、薄く、かつ強度と耐久性を求められる絶縁紙の欠かせない原料としてアバカは使用されております。一般家電製品のみならず、車載用、省エネインバーター用、風力発電機材などへの更なる需要が見込まれます。
工業用テープ基材、マスキングテープ基材など、強度と耐熱性、耐薬品性、帯電防止性を兼ね備え、その手切れの良さから長年使用されております。
学校、病院などで大量の枚数を低価格で印刷する際に使用される全自動孔版印刷機のマスター原紙基材の主要原料として、長年使用されております。
天然繊維の繊維長、繊維強度、多孔性を生かした摩擦材や、オイルフィルターに長年使用されております。